トップ - もくじ - No.81〜100 - 個別の話91
趣味でタロット占いをしているうちに、いつしかカードが示すものが読めるようになってきた。 シャッフルして裏返しのまま並べられたカードに集中すると、ぼんやりと視えてくるのだ。 過去、現在、未来を示す位置に配置されたカード――その札に描かれた、深遠なる世界が。「ほら、これは愚者のカード。こっちは皇帝の逆位置。それは運命の輪……」「ほんとだ……」「私、占いの才能があったのねっ!」「んー、でもこれって、ただの透視能力?」