星系を統べる星の王に、配下の星々が労働条件の改善を訴えた。
「我々を振り回すのはいい加減にしていただきたい。あなたの力に囚われて、無為な運動を強いられる我々の身にもなってほしい」 「そうだ!」 「待遇を改善せよ!」 「おー!」
だが王は燃え盛る火の玉のごとく怒っただけだった。 「そんなこと知るか。貴様らが勝手にくっついてぐるぐる回っているだけだろうが」
この譲歩のかけらもない回答に対して、星々は一致団結して徹底抗戦することを決意。 全員一丸となって王と対決した。
一塊に集まった星々の力には、流石の王も勝てなかった。
互いの引力に引かれて歩み寄った星どうしは、激しく衝突。 王たる恒星も惑星もその衛星も、すべて木っ端微塵になった。
こうして、一つの星系がまた滅びた。
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