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夜のメルヘン




 ゼミのレポートの締切が迫っている。

 ところが、毎晩夜中まで眠いところを無理して頑張っているにも関わらず、これがなかなか思うようにはかどらない。
 提出しないと進級も危ういという大事なレポートなのだ。
 まずいなあ。

 その日の深夜も、いつものように必死に眠気と戦いながら、レポートに取り組んでいたのだが――。

 つい少しうとうとしかけたとき、ふと変な気配を感じた。

 はっと目を覚ましたら、ちょうど悪い小人がキーボードをいじって、書きかけのレポートを消そうとしているところだった。

「あっ、こら!」
 慌てて叱ると、悪い小人はびっくりして逃げていった。

 道理で、ちっとも進まないと思った……。