今日は休み。溜め込んだ一週間分の洗濯物を張り切って外に干した。
だが朝方は晴れていたのに、昼近くになると雲がだんだんと増えてきた。 天気予報をチェックすると、降水確率も微妙な雰囲気だ。買物に出かけたいが、にわか雨でも降られたら……。
仕方ない。
ちょっぴりずるをして、物干し場の周りに雨よけの魔法をかけておくか。 本当は世界の真理を紡ぐべき魔法をこういう些細なことに乱用してはいけないのだが――。
まあ誰に見られているわけでもない。ちょっとぐらいはいいだろう。
そして夕方に買物から帰ってくると、案の定、周囲は道路が濡れて黒く光っていた。かなり激しい通り雨が降ったようだ。 魔法をかけていなかったら危ないところだった。
ところが肝心の洗濯物はと言えば、びしょ濡れでこそなかったが、全く乾いていなかった。そう、干したときと同じぐらいの濡れ具合だ。 日差しは遮られないはずなのに……。
空を見上げると、雲の合間からのぞいた太陽が、ぎらり、とこちらをひと睨みした。すぐに風が雲を押し流し、ちょうど我が家の物干し場の部分だけ日差しを遮る。
むう。 誰も見ていなくても、やはりお天道様の目は誤魔化せなかったか……。
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