風邪を引いて最悪に具合が悪い。
市販の薬や病院の薬では、気休めにしかならない。 多少高くても、魔法薬ならなんとかなるかもしれないと、近所の魔法薬局に行った。
「あの、風邪用の魔法薬がほしいんですが……」
「このへんかのう」 店番のおばばは、三本の小瓶を取り出した。
おっ、やった。 やっぱりあるんだ。
どれでもいいからさっそく買おうと財布を出しかけたところに、おばばは続けて言った。
「一番安い緑のが風邪が治った気分になる薬で、赤いのが風邪を不運と引き換える薬で、黄色いのが風邪の寿命を縮める薬じゃ」
「……黄色いのは早く治るってことですか」
「まあそうじゃが。その分活発に活動するで、治るまでに肺炎になるかどうかは運しだいじゃ」
魔法でも風邪には勝てないか……。
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