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天下百戦争




 ――かくして勇者ジャコスは、重要拠点であるレビブ城塞を失い弱体化したイマルカ国を味方に引き入れた。
 そしてこの新しき同士と共に、ついに宿敵イー・ダエを打ち倒したのである。

 またかれは奪った各地の城跡を利用してキャッスル・オインとマリュス・バック砦を打ち建てた。ジャコスの名声はいやが上にも高まり、人々は壮大な城を一目見んと四方から押し寄せ群がった。遠方よりはるばる訪れる者も多かったという。

 しかしまだ充分ではない。

 かれの行く手には、イー・ドトヨーカー、マヤ・シタカ、セタイン、ン・ウハキュ、カヤツ・マザ、シコツミの牙城が依然として立ちはだかっている。

 かの若き英雄リー・ファスト・リング・テイ率いるクユロニ軍も敗れた今、強敵らを前に勇者ジャコスはいかなる手段を用いて戦いを挑むのか……。

 おそらくそれにはまず、民衆の絶大な支持を誇るビコニン族の協力を取りつける必要があるだろう。

 血縁のあるニットミスプを含め、ソローン、マーファミトリー、インブブセレン、サンクサール・K・クス、ムエーエピエムーらの氏族からなるビコニン族は、各地に多数の拠点を持っている。かれらの協力を得られれば、ジャコスの地盤はいっそう確かなものとなるに違いない。

 幸いというかな、ビコニン族は近年、イダ・ソー将軍率いる百五人隊の猛攻の前に苦戦を強いられている。交渉次第によっては、あるいは傘下に組み込むこともできるやもしれぬ。
 そう、ジャコス最大の武器である、奇跡のアイテム「バトリュップ・シリーズ」の数々を貸し与えるのだ。

 さあ、進むのだ、勇者ジャコスよ。

 世界をおのが城で埋め尽くさんがために……。


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※この作品はフィクションです。 実在の人物、団体、事件などには一切関係ありません。 ということで!







 

 


<おまけ>


百貨店戦争



 こうしてジャスコは多くのビブレが無くなっちまったマイカルと提携した。そしてダイエーが潰れたのをこれ幸いと、あちこちにイオンやマックスバリュを作った。
 次はイトーヨーカドー、高島屋、伊勢丹、阪急、松坂屋、三越あたりが危ないかもしれない。
 ユニクロでおなじみのファーストリテイリングも食品部門から撤退。業界は戦略の見直しを迫られている。
 さらに今や全国各地に浸透したコンビニの存在も忘れてはならない。
 ジャスコ系列のミニストップに加え、ローソン、ファミリーマート、セブンイレブン、サークルKサンクス、ampmなどに代表されるコンビニ業界は、ダイソーを始めとした百円ショップの台頭に苦しんでいる。ジャスコのトップバリュ商品が置かれる日も近いのかもしれない。
 さあ、進むのだ、ジャスコグループ。
 世界をイオンショッピングセンターで埋め尽くさんがために……。