[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。
トップ - もくじ - No.101~120 - 個別の話119
神様とお茶を飲んで雑談していたら、クリスマスの話題になった。「もうすぐ12月25日だなあ」「神様も、天使とクリスマスパーティーとかするんですか」「昔は盛大にやったけどね。この歳になるとなかなかプレゼントももらえないよ」 少し寂しそうな口調で神様は言った。 ふうん。神様でもクリスマスプレゼントがほしいのか。案外、子供っぽいところもあるんだなあ。「いっそ、サンタさんにお願いしてみたらどうですか?」「サンタさん? 誰だそれ?」 あれ、もしかして知らないのか?「ええと、確かサンタクロースはSt.Nicholasのことで、子供の守護聖人で――」「そいつが何だって?」「いや、だからクリスマスプレゼントを、サンタクロースに……」「はあ? 見も知らぬ相手にバースデイプレゼントなんかねだれるか。みっともない」 ……ああ……。 12月25日。 Xmas。Christmas。Christ Mass。 すなわち、キリスト降誕(誕生)祭。 妙に納得してしまって黙り込んでいたら、しばらくして神様が突然「よし!」と思いついたように手を打った。 何やら楽しげにこちらを見て言う。「せっかくだから、今年は久しぶりに誕生日会でも開こうか。お前も来るといいよ」「えっ? は、はあ。じゃあ、ぜひ……」 そして今、私はクリスマスのお祝いに神様へ贈る誕生日プレゼントに、頭を悩ませているのである。